文化や自然を生かした
 環境教育効果
この地域の自然は「二次的自然」です。
 「二次的自然」とは、その字のとおり、ありのままの自然ではなく、水田や水路など農業水利施設を維持管理してきた農家や土地改良区の仕事の結果生まれた環境です。
 農業が守り育ててきたこれらの環境の中には、長い年月を掛けてやがて多種多様な生物が生息するようになりました。
 一方で、経済の成長とともに多くの地域の自然環境が失われてしまいました。各地で生息していた多くの生き物もその姿を消しつつあります。
 こうした流れの中で、いつしか「農業・農村風景」は多種多様な生物が生息し、人間達にも「潤い」と「やすらぎ」を与えてくれる重要な財産としてその存在が注目され始めました。


良好な景観・豊かな田園空間の形成

 農村空間の美しい景観は、人の心を和ませ、明日への活力を生み出す原動力となっています。
 最近では、都心部の人々などが豊かな自然を持つ地域への関心を高めており、休日などに各地を訪問する姿が良くみられるようになりました。
中央干拓低地排水路でカヌーを楽しむ
 印旛沼地域も田園などの農村風景や豊かな自然が多く残っております。
  近隣都市からも水路でのカヌー遊びや釣り・農道や谷津田の散策・ジョギング・サイクリング・ハイキング・野草観察などの農村風景と親しみ深いレジャーを中心に、多くの方が訪れています。



伝統文化の伝承

 農村地域には、農業生産活動とともに培われてきた地域固有の文化や伝統が今日まで伝承されています。
 これらの文化...衣・食・住をはじめ、技術・学問・芸術・道徳・宗教などは、地域のアメニティ資源として活用することで地域の活性化へと繋がります。
成田市下方の獅子舞
 この地域にも、「
龍伝説」・「松虫姫」・「川蛍」・「酒のわき出る井戸」など数々の言い伝えや昔話があります。
 各地に五穀豊穣や子孫繁栄、あるいは雨乞いなどを祈念した祭り、篠や竹ざるつくり、炭焼きなどの技術が古くから受け継がれて今も残っています。



農村と都市との交流

 都市部に暮らす人々の農村地域へ関心は年々高まりを見せています。
 とくに近年では、地球環境の危機が報道されるなどをきっかけに、安全な食物や自然環境の保全や学習など、大人から子供まで実に広い範囲での地域活動が全国各地で行われ、その活動の場として、今なお自然環境を多く残す農村地域が注目されています。
各地で行われている農業体験
 印旛沼地域は首都から50km圏内に位置することから、地域でとれた農作物の消費者との距離も非常に近いと云えます。
 地域で生産された安全な農産物への志向も高まり、直売所や朝市などが各地で催されています。米などは農家と直接取引も行われています。

 一方、近年では都市化の進展に伴って多くの人がこの地域に移り住むようになりました。
 その背景には、先に述べた安全な農産物への欲求が在ることは勿論ですが、地域の歴史文化・環境に対する興味や期待など、農業・農村地域の持つ多面的機能への認識が再評価された事も大きいと思われます。
 また、市民団体や学校の総合学習では、地域の農業や歴史文化,環境などについての体験・調査・観察など、地域と協力して取り組んでおり、このように周辺地域などの活動と農村地域の地域づくり活動が協力し合う事で農業・農村地域と都市との新たなコミュニティーが広がっています。





特集:photo


印旛沼地域の水田農業と多面的機能のページに戻る


本サイトの全ての情報の著作権は著作権は印旛沼土地改良区が所有しています。
(引用文など他者に著作権のある資料に関しては掲載したページ内にて出典を表記しました)
このサイトの文章・画像など内容についての無断転載を禁じます。

Copyright (C) 2002-2004 Inbanuma-tochikairyou-ku
No reproduction or republication without written premission.