理事長あいさつ
水土里ネット印旛沼

 新緑の候、組合員の皆様には本土地改良区の運営に際し多大なるご支援、ご協力をいただき厚く御礼申し上げます。

 ここ数年、新型コロナウイルス感染予防措置により様々な行動制限が求められてきたところでありますが、ここにきて少し落ち着きを取り戻し、マスク着用措置が解消される等、少しずつ平常な生活に戻りつつあると思います。
 まだまだ、安心できる状況ではないものではありますが、新型コロナウイルスについては関連情報を注視しつつ健康管理には十分気を付け役職員一同、業務運営にあたっていきたいと考えております。

 さて、はじめに、国営印旛沼二期事業の施行状況でありますが、平成22年に着手されてから足掛け13年が経過し、事業費ベースで約90%の進捗率となるなど最終段階を迎えております。

 この間、白山甚兵衛機場をはじめ主要6機場の内4機場が供用開始となっており、残すところ埜原機場、一本松機場の完成を待たれるところであります。
 この機場についても、いち早く供用開始され、関係受益地に安定した用水供給が出来ますよう国営印旛沼二期事業所にはあらためてお願いするところであります。
 また、今後、この事業完了に向けましては、軟弱地盤対策や外来植物等除塵対策、他関係対策工事等により総事業費が増嵩したことに伴う事業計画変更手続が必要とされております。
 この手続きには組合員の同意が必要とされることから、今後予定する地元説明会で概要説明を行い、組合員皆様のご理解をいただいたうえで同意徴収手続きに入りたいと考えておりますので、ご協力の程よろしくお願いいたします。

  次に、支区維持管理事業において最大の懸案事項となります電気料金の高騰対策でございます。
 令和4年度においては、管理施設の電気料金が例年の1.7倍になる等、支区運営にとっては非常に厳しい財政状況にあり、なかでも一部の支区におきましては、電気料金が維持管理賦課金を上回る危機的状況に陥っております。
 このことにつきまして、本区としましては、県において創設された「農業水利施設物価高騰対策支援事業」の補助事業及び市町補助事業の活用と併せ、緊急的に本区積立金を支区会計に充当する財政支援を行いました。
 しかしながら、今後、電気料金の高騰がいつまで続くのかまったくの不透明な状況であります。
 本区としましては、引き続き、令和5年度以降においても、先に述べた補助事業を活用しつつ、継続可能で計画的な財政支援策を検討し、農家組合員の負担軽減を図るための対策に取り組み、安定した維持管理事業を実施しなければならないと考えます。

 ここで組合員の皆様にお願いがあります。

 今現在、組合員の皆様におきましては代掻き、田植え等忙しい毎日を送っていると思われます。
 なかでも、支区、管理区役員に就任されている組合員の皆様は、常日頃より機場の運転管理や用排水路の維持管理おいて大変なご苦労をしていることは十分理解しております。
 しかしながら、電気料金の高騰という問題に直面した現在、今一度、機場の運転管理や施設使用のあり方を見つめ直す必要があると思います。
 特に用水に関しては、それぞれの支区や管理区において、慣習や約束事があると思われますが、これまでの先入観や固定概念、既成概念を手放す考え方をして、支区役員、組合員とともに、少しでも節水、節電に繋がるような工夫、取り組み、対策の検討をお願いしたいと思います。
 水利用は、自然相手で天候に左右されるなど難しい面も多々あると思いますが、何卒ご協力をお願いいたします。

 この他、近年頻発するゲリラ豪雨、線状降水帯等の集中豪雨に備えた組織体制の再確認と安全で適切な施設管理、土地改良施設の老朽化対策、耕作放棄地問題や後継者問題を打開するための農地中間管理機構関連農地整備事業を始めとする農地整備事業の推進、外来植物や不法投棄等の環境問題の取り組み等、改良区が果たす役割は重要であり、その対応すべき業務は山積しております。

 これらの課題の対策や事業推進等については、今後、益々難しい状況が続くと思われますが、組合員皆様の期待に応え、農業地域を守る代表的組織である改良区の責任を果たすべく、役職員一丸となって取り組んでいきたいと考えております。
 組合員皆様には、これまで同様、忌憚のないご意見、ご指導を賜れれば幸いでございます。今後ともよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、皆様の益々のご健勝とご多幸と併せ、今年も万事順調に実りの秋を迎えられますことをご祈念申し上げまして、私の挨拶といたします。

令和5年5月1日


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